なんとなくクリスタル

「なんとなくクリスタル」田中康夫著 河出文庫

長野県に知人がいる関係で、長野県民が代表として選んだ長野県知事とはどういう人なのかを勉強するため、「なんとなくクリスタル」を読みました。
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県民必読の書かもしれないですね。長野県知事はこういう考えを持った人なのかと理解しやすい内容でした。

というのは、大げさで見当違いで半分嘘ですが、昔のベストセラーで未だに読んでない有名小説です。

しかし、これが不思議と本屋さんで見つけられないのです。
私は、たまたまブックオフで見つけて購入できました。

あれだけのベストセラー小説なのになんで本屋においてないのか?

多分、仕入れてもすぐに売切れてしまうか、単なる流行小説として受け取られて、流行は過ぎたので見向きもされなくなったのか・・・よくわかりません。

で、話は1980年のバブル期が舞台で、モデルでもある女子大生が主人公。
そんな彼女の東京でのオシャレな日常生活が淡々と時にはエッチに描かれております。

読んでいくうちに気分は80年代のオシャレでリッチな生活の気分に!

この本の面白いところはページを開いて右側が小説、左側が小説にでてくる店や音楽等々のオシャレなウンチクが満載された註釈が書かれております。
1980年の文化の勉強にもなりそうです。

更に河出文庫の著者あとがきでは下のような当時の著者のオシャレな写真付きです。
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いくらオシャレでも、今更20年以上も前の話を読んだって、流行遅れも甚だしいし、役立たないと言われればそれまでかもしれないですが、今よりも華やかな時代の雰囲気が感じられ、ある意味笑えるような感じもします。

小説としては、単なる流行小説で、一見中身が無いように感じられるのですが、主人公達のノー天気生活は幸せそうに見えてもなんとなく不安定で、はかなげな空気が漂っており、独特の感じを味わえます。逆に不景気な今だからこそ当時の空気を吸ってみるのも面白いかもしれません。

一見、軽くてドラマ性もなく、中身が薄いようですが、当時の空気をよく現しているようで、まさに「なんとなくクリスタル」という感覚を味わえるなかなか面白い体験でした。
しかし、ラストは悲しくは無いのですが、何故かはかなさと懐かしさという感情に支配され余韻が残りました。

なぜか忘れられない不思議な雰囲気の小説です。
個人的にはお気に入りです。
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by yururitositarou | 2006-06-06 04:01 |
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