魚籃観音記 筒井康隆著(新潮社)

d0063706_19341183.jpgで、前回に引き続き先日読んだ筒井康隆作品です。

短編集です。

表題作は悪くはないのですが、それほど面白いと感じませんでした。

エロいのですが、どちらかと言うと笑える内容です。

しかし、これ以外にいい作品が多数収録されております。

「市街戦」は東京が戦場と化している中、犠牲者を出しながらもホームドラマを取り続ける撮影隊。

「馬」は社長からご褒美として馬をもらったけれどそれが、人間の若い女としか見えない主人公。

「作中の死」は近所の小説家が書く新聞連載小説に登場人物として描かれた電気屋の喜怒哀楽。

「ラトラス」は近未来SF。で、核戦争後のような世界の中、巨大化して知能を持ったねずみのような兄妹と生き残りの人間との攻防。

「分裂病による建築の諸相」は様々な変わった感覚の人物が立てた個人宅の例をあげ、笑わせます。

「建物の横の路地には」はまさに路地裏に行くとさわやか君から特殊なテレフォンカードをもらったり、色々な人から色々なものをもらえるよと教えてくれる話。

「虚に棲むひと」は自分が小説に取り上げた女性が様々な作家の作品にも登場し、そのつど落ちぶれていく話。

「ジャズ犬たち」は犬の世界の話で、人間を観察したり、集まってジャズコンサートをしたりと様々なタイプの犬が出てくる話。

「谷間の豪族」は一度入ったらそう簡単に出られないような場所にある妻の実家に住むようになった作家の話。

とバラエティーに富んだ内容なので、どれかお気に入りが見つけられるかもしれません。

私はどれもよかったですが「分裂病による建築の諸相」と「建物の横の路地には」が、面白く読めました。

表紙絵はしりあがり寿氏でかわいく味わいがあります。

そういえば、しりあがり寿氏が朝日新聞夕刊に掲載している地球防衛家のヒトビトという四コマ漫画で、先日傑作がありました。

先日ボクシングの亀田興毅の判定をめぐっての内容を扱ったものですが、これからの敵はもっと手がわい敵が待っている。

世間のバッシングだ。

と言う内容です。

まさにボクシングの対戦相手より手ごわそうです。

私、最近思うのですが、亀田のお兄さんは実はやさしく静かでいい人なのではないかと。

無理してマスコミやお父さんのためにああいうキャラクターを演じているのではと。

時折、表情にそれを感じられて憎みきれないのです。

亀田の柿の種のキャラは長男と次男に似てるような・・・
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by yururitositarou | 2006-08-08 18:02 |
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