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「硫黄島からの手紙」私の本年度No.1です!

「父親達の星条旗」に続いて「硫黄島からの手紙」観ました。
二作とも大学の先輩GFC氏と観にいきました。

両方を見て日本人、アメリカ人、とういう違いはなく、双方、国によって強制的に悲惨な人生を送る事になった生まれた国が違うだけの同じ人間という感じがいたしました。

「父親達の星条旗」を観た時、本土の社会より戦場の方が利害関係もなく、人種差別もなく、ただ生と死のみしかない純粋な世界で、今の様なモラル崩壊、いじめ問題、格差社会の世の中より美しいという、矛盾した感情を抱きましたが、「硫黄島からの手紙」はストレートに戦争の恐ろしさが伝わってきまして、そんな余裕はないほど戦争の恐ろしさを感じました。

大宮のパン屋さん役の二宮君の自然な演技は予想以上に素晴らしかったです。
普段は何処かすねた様な表情で、栗林中将やバロン西などの尊敬できる人を見る時は輝いた目つきになり、戦友の無残な死のときの大げさすぎない泣き方は自然であり、最後、米兵に囲まれた時の演技も素晴らしい物でした。

渡辺謙さん演じる栗林中将の優しさと心の広さ、伊原剛志さん演じるバロン西も栗林中将と同じく優しく心が広い。

双方とも威張る事もなく惚れ惚れするほどのかっこいい人物で、こういう上司の下であったら命も惜しくないような気になりそうです。

こういう人物になりたいとも思います。

しかし、なんともいえないのが魅力的な人物双方共アメリカへ行ったことがある人物ということ。

双方実在した人物なのでフィクションではなく本当だったのですが、皮肉です。アメリカ、という事ではなくそれだけ広く世の中を見てきたからこそ魅力ある人物なのでしょう。

二人の俳優もマッチしており、渡辺謙さんはラストサムライより自然で深く、二人とも今までの外国映画の中の日本人でも屈指の魅力的人物となっております。

伊原剛志さんもこんなに魅力的な俳優さんだったんだと初めて知ったような気分です。

残念なのは、バロン西の馬。かわいそうでした。なんで連れて行くのだろうと思いました。しかし、馬の死も無下にせず悲しく撮ってくれております。

GFC氏に言われてそういえば忘れかけていたと思ったのが、栗林中将に付きしたがっている人です。この人は最後まで栗林中将を守ろうと必死に忠誠を守り通そうとします。目立たないですがそのけなげな態度は忘れがたい魅力的人物です。最後は一緒に埋めて欲しかった気もいたします。

加瀬亮さん演じる元憲兵の人生も皮肉です。

憲兵時代に犬がうるさいという事で母と幼い娘の前で犬を銃殺してこいと上官に命令され、優しさうえに犬を殺さず空に向けて発砲し、それが上官にばれて非国民呼ばわりで硫黄島に送られて無残に死んでいきます。

中村獅童さん演じる上官は、結構良かったです。
最近、変な意味で国民的大人気者ですが、この人の表情と演技は捨てがたいものです。
部下に厳しく容赦なく、勇気が誰よりもあるふりをして威張っていながら、自分だけ助かろうと死んだふりをして、助かります。

会社の上司や先生と呼ばれているようなお偉いさんたちや暴力的、威嚇的な人、態度がでかい人など結構こういうタイプって、世の中に多くいるので笑えます。

弱い者の勇気のなさをののしりながら、実は自分が一番勇気がなくいざとなったら隠れて一人で逃げてしまい、その事を上手く隠して上手く世の中を渡っていくタイプです。
今後も、俺は勇気があるんだぞ~!腰ぬけめ!と威張った態度で弱者を威嚇して生きていきそうです。

なんだか、この人が一番日本人らしくまた、人間らしく感じられるような気もいたしました。

戦場も自決シーンなどは目を覆いたくなるような悲惨さです。全く違うかもしれませんがディアハンターのロシアンルーレットシーンのような恐怖感です。

「父親達の星条旗」よりは死体のおぞましい映像はひかえてありますが、充分過ぎるほど戦場の恐さは伝わってきました。

「プライベートライアン」を見た時はまだ余裕があった私ですが、この二作品は全く余裕なくただただ戦争の恐ろしさを見せ付けられた気がいたしました。

戦場も恐いですが、国内も恐いです。
大宮のパン屋さんに届けられる赤紙のシーン。
おめでとうと無表情に威嚇的に反論を許さない近所の愛国婦人会の婦人達。
みんな好きな事も言えない世の中で誰もが同じ方向に進まないといけない風潮。
ちょっと変な事を言ったり反抗的な姿を垣間見せると非国民扱いされてしまいます。
国ってなんなんだろうとわからなくなってしまいます。
いじめ問題もこういう風潮と似たような気もいたします。

日本人て皆一緒の方向を向かないと許さない風潮を喜ぶ気があり、弱者を集団で叩く気があるので、今は平和でも何時このようになるとも限らない恐さもあります。まあ、日本人に限らないかもしれないですが・・・

しかし、現代みたいに逆になるとモラルがなくなってしまい文句ばっかり立派な人たちが横行しこれもまた問題。矛盾しております。

栗林中将の家族を思う穏やかな手紙と柔らかい物腰、それと対比する戦場の凄まじさ。これが本当にあった事である恐ろしさと悲しさ。充分伝わってきます。

また、驚いたのが硫黄島に日本人街があったこと。あんな島に・・・水はどうしていたのだろう。
これから調べていこうと思っております。

監督のクリント・イーストウッドの人間の描き方も素晴らしいし、感情的になりすぎずやや引いた視線で撮っている点も素晴らしいです。

戦争の悲惨さを押し付けや無理やり泣かせようとするのではなく、あるがままに描いているようで、俳優の演技も感情的になりすぎず自然であり、それがスッと映画の中に入っていけ、本当の恐ろしさを実感し自然と涙したような気にもさせられました。なんで日本でこういうのを撮れないのだろうと残念でなりません。

また日米双方の立場から公平に撮ったという事に人間の大きさも感じました。

こんな素晴らしい映画を見せていただき感謝です。

この二本の映画特に「硫黄島からの手紙」は私的に今年度No1映画でございました。

父兄含めて学校で上映してほしい映画ですね。会社でもかな(笑)
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by yururitositarou | 2006-12-30 02:10 | 映画

日本沈没と日本以外全部沈没

d0063706_19323043.jpg映画の日本沈没見ました。

どうせ日本映画だからと思っていましたが、迫力は予想以上ですごいです。

飽きずに最後まで見れ、周りの客と一緒に素直に感動しました。

私の好きな海洋映画の面もあり、楽しめました。

昔の映画やドラマは見ておりません。

面白いのかなぁ?

嘘の話なのでしょうが妙に説得力あって、本当にこういうことが起きるのではと怖くなります。

難を言うとラストですね。

主人公の草薙君の行動はかっこいいのですが、どうしてこういう映画はこういうラストにしなければならないのだろうと思ってしまいます。

勇気があり国民を救う行為を主人公がするわけですが、犠牲賛美が大きくなると怖い気もします。

もちろん、多くの人々を救う職についている方たちは、自分の命を犠牲にする覚悟で日々働いているのかもしれないですが、その人たちにも家族があり、それを思うがゆえに自分の命も大事という考えも持っているはずです。

しかし、犠牲にするのが当たり前と言う風潮がはびこってしまうとなんだかそういう懸命に働いている人たちにプレッシャーが掛かりすぎてしまうのでは・・・
なんだか昔の神風特攻隊や回天などを思い出してしまい、怖い感じもします。

それとは逆にパニック映画に欠かせない自分だけが助かろうとする人(首相代理)も出てくる(逃げて助かりますが、その後はバッシングにあう運命かもしれないです)ので、その点は満足かもしれないです。

果たして、一年以内に日本が沈没するとしたら、自分はどうする?

家族がいれば逃げる。自分だけだったら残る?色々考えさせられました。

最後、日本はパラオ諸島のようになってしまいます。

ダイビングのメッカになるかな?

でも、寒いですね。

で、映画を見た後、この原作は読んでないのですが、私のサイトのお客さんのMAX氏から、日本以外全部沈没の映画も公開されると言う情報を聞き、調べてみたら、原作が筒井康隆の短編で本家の原作者小松左京公認とのこと。ちょうど「魚籃観音記」を読み「笑うな」を再読していた所で、また筒井康隆を読みたくなり大きな書店を回りましたがどこにも置いておらず。

あきらめかけてたところ、小さな書店に一冊だけ置いてありました。

角川文庫です。

短編集でその話は二十ページ程なので、すぐに読めました。

文字通り日本以外全部が沈没してしまい、外国のセレブ達がなんとか日本に逃れてきますが、日本人にこき使われて生活しているという有様。

日本人は外国人を邪魔者扱いして、威張り腐っている世界です。

笑えます。

ハリウッドの有名女優達は路上で一晩数千円で客引きしたりしております。

大富豪オナシスの持参した宝石が数千円で売られ、逆に食糧不足でカレーライスは一杯数万円もする世の中です。

登場する外国の有名人は実在の人物ばかりですが、どれも三、四十年も前の人々です。

しかし、普遍性のある有名人ばかりですので、ある程度顔が浮かんで楽しめます。

落ちはあっけない感じでしたが、その状況を楽しめました。

かなり危ない内容ですが・・・

果たして映画はどうなのか?

書く勇気もすごいですが、それを映画にする勇気もすごいですね。

それもかなり危なそうな内容です。

試写会では外国大使館に招待状を出したけれど、皆怒ってこなかったとのこと。

できれば本家の映画と同じキャストで逆の世界が見たかったのですが、それはさすがに難しいですね。

筒井康隆は「時をかける少女」を書く一方こういうブラックなのも書いている点が笑えます。

お勧めは色々あるのでしょうが、今思い出した本だと「笑うな」「薬菜飯店」「文学部唯野教授」は文句なしに笑えます。

超能力者七瀬が様々な家を家政婦として渡り歩く「家族八景」も忘れがたい作品でした。
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by yururitositarou | 2006-08-08 17:26 | 映画

デスノート

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流行に乗って、漫画を読んで映画見ました。

漫画は面白いですね。

2巻目から目が離せなくなる展開です。

名前を書くと書かれた人物が死んでしまう。

基本設定は単純ですが、それだからいいと思います。

けれど話の展開は下手なハリウッド映画よりも凝っていて、頭脳戦の面白さを十分味わえます。

はじめはデスノートを手に入れ、極悪人物を次々と処刑していく主人公の夜神月(ヤガミ・ライト)の考えに共鳴する部分があり、応援しておりましたが、次第に夜神月を追い詰める側の”L”のとぼけた味わいに引かれていき、いつの間にか”L”を応援している自分がおりました。

しかし、7巻まで読んで、それ以降”L”が出てこなくなると興味半減で9巻でストップ状態です。

私も年の割には7巻目はショックでした。

で、映画は思ったより楽しめました。

キャスティングについては色々あるのでしょうが、皆上手かったんじゃないかなぁ。

”L”役の松山ケンイチもなりきっていてよかったけれど、もう少し力抜いて、とぼけたコミカルな味わいをだしてくれれば一層よかったかななんて思いました。まあ、これは漫画の”L”に対する思い入れ強いからかな。

と言うことで、漫画をそんなに読まない私でもかなりのめりこめる内容でしたので、読んで損はないと思います。
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by yururitositarou | 2006-08-08 16:25 | 映画

ポセイドン

映画「ポセイドン」見ました。
昔の「ポセイドンアドベンチャー」より面白いと思います。

パニック映画の重要要素であるセレブ達の集う場所
(平民達だと本当に可哀想なので面白みがかけます。セレブの集う場所というのが観客の隠れたダークな残忍性を楽しませてくれると、表立っては言われませんが、そう私は読んでおります)
が地獄と化す点と自分だけ生き残ろうとする奴の登場
(この要素は少し弱いですが・・・)
もちゃんと盛り込まれておりますし、昔のより海洋サスペンスの要素が盛り込まれていて満足です。

海洋物としてはサメは出てこないですが、水の恐怖はいやというほど味あわせてくれます。

パニック物としては、ダークな目で見たら優雅なセレブ達の地獄絵を楽しめるし、まっとうな目で見てもその恐怖は充分楽しめます。

しかし、あまりにもこれでもかこれでもかと危機に襲われるのでかなり疲れます。
それだけ、よくできているのだと思いますが・・・

それと、主人公達が、生き残るため他の生存者を犠牲にするシーンがあり、これは奇麗事だけじゃなくて現実的で気に入りました。

しかし、最後のカート・ラッセルの行動だけは解せません。
あんな勇気を出せる主人公を出してしまうとなんだか私にそんな勇気が無いからかもしれないですが、劣等感におちいります。

あくまで主人公達はスーパー勇気の持ち主より、もう少し勇気が無い等身大の人間が脱出するように仕向けてほしかったような。

見るほうは自分がその場にいたらとも考えたりするのであまりにも、観客達の一般的勇気よりもかけ離れた勇気をだされてしまうと、しり込みしてしまいます。

でも、それ以外は単純明快な海洋パニック映画として充分楽しめます。
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by yururitositarou | 2006-06-27 20:47 | 映画

ダヴィンチ・コード

ダヴィンチ・コードの本読んでから映画みました。
う~ん、本で謎がわかってしまうと映画見てもなんとも感じないです。
内容知らなくて映画だけ見たとしても、主人公達が観客をおいて勝手に推理を進めちゃっているような・・・
最初にミステリー小説として一般に広く謎を提示した事に価値があったのかもしれないです。
トム・ハンクスも存在感無いし、上手く宣伝に乗せられてしまいました。
それに本は文庫本で三冊。
一冊にまとめても京極夏彦作品より薄いと思いますが、三冊分のお金を払ってしまい、出版社の思惑に乗せられてしまったような・・・
なんだか後味が悪い気分です。
テレビの特集見ればそれでいいような気がいたしました。
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by yururitositarou | 2006-06-27 20:15 | 映画

クラッシュ

映画「クラッシュ」

観て来ました。

マット・ディロンちょっと太ったけれど悪と善の複雑に絡み合った性格を上手く表現して、凄かったです。

いろんな人種がひとつの街を舞台に複雑に絡み合い悲劇、感動劇が展開されます。

映画「有頂天ホテル」は見逃しましたが、多分同じような感じかなぁと推測。

スパニッシュ系の親子のエピソードは一番感動です。

お父さんが夜仕事から帰ると幼い娘が遠くでピストルの音がしたから恐がっておりました。

お父さんは自分が着ていた目に見えない魔法の防御服を脱いで娘に着せてあげます。

今度は君が大人になって子供が何歳かに達したら着せてあげるんだよ。

あるときお父さんは、アラブ系の(この家族もエピソードがあります)男に見当違いで恨まれ

ピストルで撃たれそうになります。

それを見ていた娘は「私がお父さんを守らなければ」と飛び出してお父さんの前に飛んで行きます。

その時、ピストルが放たれて・・・

お父さんの泣き叫ぶ顔

茫然とする撃った男

しかし・・・

マット・ディロンの役は警察官で人種差別主義者です。

しかし、家では病に苦しむ父親を献身的に見ております。

ある時、黒人夫婦が乗った高級車が気に食わないので無理やり止め、奥さんに対し何か凶器を持ってないか調べるといって、下半身の中まで調べます。

この黒人夫婦もエピソードがあり、この事をきっかけに夫婦の間に溝ができてしまいます。

なんで助けなかったのか、あそこで抵抗したら今まで築き上げた地位や名誉が剥奪される等々どちらにも言い分があります。

警察内部も人種差別が横行してます。

マット・ディロンの部下に白人でそれに疑問を持つ若者がおりますが、警察組織内ではそんな考えを持っていたら、使い物にならなく、馬鹿にされます。

その組織内では人種差別しないとやっていけないのです。
下手に正義感で反対を唱えても避けられ仲間に入れてもらえない雰囲気漂ってますので、表立ってはしゃべりません。

部署代えしたいと申し出る時は、あからさまに人種差別する上司がいやだからとは通用しないので、腸の病気がひどいからといって変わります。

その代わり組織内では彼が交信で話すと相手はオナラの音を発して馬鹿にします。署内の笑いものになるしかないのです。

しかし、マット・ディロンは先程屈辱を与えた黒人女性が車で事故を起こしている現場に到着し命をかけて救出します。感動します。

複雑です。

簡単にいい奴、悪い奴と言う事を決められない。

人間にはいい面もあるし悪い面もある。

悪い奴がいいことをしたり、善人が殺人を犯してしまったり。

そんなエピソードが多数あちらこちらで絡み合っていきます。

人生って恐いなとも思いますし、

アメリカって住むのが命がけなんだなとも思います。

イチローや松井なども表向きはみんな優しくしているのでしょうが、裏ではどんな目で見られて生活しているのか・・・
大リーグも観客に黒人がほとんどいないのは気になりますし、日本人が見にいって無警戒に楽しんでいるのもこの映画を観ると大丈夫かな?なんて思ったりして。

裏で、多数のアメリカ人が警戒心も無く、金持ちで、アメリカ通を気取っている日本人をみて生意気なイエローモンキーめとハラワタ煮えくり返りながら笑顔で接しているんじゃないかと思ったりして・・・鈍い日本人はそれに気付かず、いい奴ばかりだ、マイフレンドなんて一方的に思ってたりして・・・

でも、私も一人で外国行ったとき外国人(白人含む)に優しくしてもらったりもしているので・・・

そう、世界のどこでもいい人いるし悪い人いるし、いい人が悪人に変わる事もあるし悪い人も裏に事情があったりするかもしれないし。

とこんな事は当たり前のわかりきった事なので、そんなことを書くのは幼稚に思われますが、そんな、当たり前の事を改めて考えさせてくれた点でフレッシュな気分になれました。

そんなことがすごくわかりやすく描かれております。

と色々考えさせてくれる映画ですが、エンターテインメントとして観てもエピソード満載で飽きさせない作りで、全く関係の無い人々が絡み合っていく様の脚本は凄いです。

観終わった後は悲しい気分もありますが、救いがあり爽やかな気分の方が強かったような気がいたしました。

流石、アカデミー作品賞受賞作だけあって、奥が深くいい映画です。
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by yururitositarou | 2006-04-23 06:03 | 映画

ヒストリー・オブ・バイオレンス

映画「ヒストリー・オブ・バイオレンス」

観て来ました。

出だしはモーテル。

手前に白いオープンカー、その向こうのモーテルから男二人が登場。

ずっとカメラ動きません。

いい感じです。

一人が支払い済ませて、その間もう一人が車をゆっくりと進ませモーテルの事務室の前に移動。

カメラは同じ構図のまま横移動。

支払い済ませた男が戻ると

もう一人は「ずいぶん時間がかかったな」

そこで戻ってきた男「若い女がうるさくてな」

台詞は正確ではありませんが、そういうような事を言っていたということで。

で、運転席の男は助手席へ、支払い済ませた男は運転席へ

助手席の男が手持ちの水が無いので、今度はその男が事務室へ入っていきます。

そこでようやく画面が変わり、事務室へ向かう男の後を追います。

なんだか室内静かです。

異様な雰囲気が感じられます。

そして・・・

その男はスピルバーグ映画の登場人物だったら絶対にしない行動をします。

と出だしは平和そうに見えながら実は・・・の次にまさかえっ、ひどいという展開で一気に話しに引き込みます。

ここで「ひどい」を強く見せているのでこの後の展開がハラハラドキドキ強くなります。

主人公は平和な家庭のお父さん。

美人の奥さんに高校生の男の子で学校ではいじめられっこ、それにまだ幼い女の子。

この家庭、お父さんは食堂のマスター、お母さんは確か弁護士で、お母さんの方が稼いでいそうです。

こういうのもいいかな。なんて思ったりして・・・

でも、ごく普通の仲のいい家族です。

出だしと同じく平和そうに見せておきながら・・・
食堂にオープニングの二人登場・・・
衝撃・・・
やったね!・・・
恐そうな人達登場・・・
んん?・・・
疑惑・・・
恐そうな人達あちこちに登場・・・
怪しい・・・
やはりそうじゃないか?・・・
いや、そう見せておいて実はではないか・・・
衝撃・・・
お兄さんと再会・・・
どうなるのかな・・・
衝撃・・・
どうなるのかな・・・
家族の絆・・・
ホッ。

という感じに進行します。

息子のエピソードも結構いいです。
はじめいじめられてます。
しかし後半、本性が目覚めます。
スカッとして気持ちいいです。

お母さんも美人です。
子供がいない夜
夫婦はうきうきしはじめます。
お母さんチアリーダーの格好をしてベットでお父さんをうきうきさせます。
このシーンは人に見られたら恥ずかしいようなコスチュームプレイを二人の間で密かにやっているというのとお母さんの妙に挑発的セクシーさで男性諸君の目は釘付け。

中盤から後半近くまでエド・ハリスが怪しく恐そうな役で登場し、この家族にまとわりついてきます。
サングラスを取ると片目が白くなっております。
昔、有刺鉄線でえぐられたとか・・・
それをえぐったのがおとうさん?
まさかぁ。
エド・ハリスはサングラスをつけても恐いです。
車は多分ベントレーで子分が運転。
なぜかベントレーが出てきたその時点で悪い事している人達とわかってしまうのが、後から考えると笑えます。
ベントレーやベンツなんて所詮、人を殺すか騙すかして稼いでいるような人達が乗っている平民に恐怖と不快な思いを与える車ですが、やはり、乗ってみたいのも本音ですね。でも、悪い事しなきゃいけないし・・・

エド・ハリスの存在感のある不気味な演技は見もので、これまた話を面白くさせてくれます。

それでお父さん役はロード・オブ・ザ・リングのヴィゴ・モーテンセンで馬には乗らなく地味な感じの役です。しかし、本性を見せたときに変化する様(常に落ち着いてますが・・・)は恐いけれどスティーブン・セガールみたいなアクションで凄いです。

お母さん役のマリア・ベロも魅力的でいやらしさと上品さ、家庭の母親という演技を自然とやっております。ラストの表情はなんともいえないです。これから注目です。

そして、大取りを飾るのが今年度この映画でアカデミー助演男優賞候補になった
ウイリアム・ハート!

ラスト近くやっと出てきます。

10分くらいの出演です。

でも、アカデミー助演男優賞候補。

なんで、これでアカデミー助演男優賞候補?

でも、不思議です。この映画の中で一番インパクト大です。

特に深刻な演技でもありません。

なんとなくキザでリッチな感じで、強そうに見えなくてあっけなく出演シーン終わりです。

笑える演技です。

しかし、強烈に後まで印象が残るのです。

この演技になぜか吸い込まれ病み付きになりそうな魅力を放っています。

不思議です。

たったこれだけで、アカデミー助演男優賞候補だって、(大爆笑)ハッハッハ(涙チョチョギレ~)ヘーヘ~の次に、なんだか忘れられない!やはり凄い演技なのか?だが、どこが?・・・
なんなんだ~この感覚は~!

という事で残酷描写が所々ありますが、最初から最後まで目を離せないシーンが満載で予想以上に面白い映画でありました。
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by yururitositarou | 2006-04-23 04:48 | 映画

しとやかな獣

またまた、東京の京橋にある東京国立近代美術館フィルムセンターで「シナリオ作家 新藤兼人」という特集上映を見にいきました。

今回の映画は、「しとやかな獣(けだもの)」です。

監督は「幕末太陽伝」で有名な川島雄三

この映画も有名ですが、初めて見ました。

1962年の作品です。

文春文庫編の洋・邦名画ベスト150中・上級篇という文庫の邦画11位に載っておりましたのでそのページを掲載しました。
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父(伊藤雄之助)、母(山岡久乃)、長女(浜田ゆう子)、長男(川端愛光)の四人家族が住む団地の一室が舞台で、カメラはその部屋と部屋の前の階段から移動する事がほとんどありません。

例外として、屋上、隣の住人の部屋、引きでマンション群を映した映像がありますが、ほとんどマンションの部屋の中だけで展開します。

一室のみで展開する映画はヒッチコックの「ロープ」やシドニー・ルメットの「十二人の怒れる男」が有名ですが、不思議とこういう映画って面白い物が多いです。

この映画もそれにもれず面白いです。

昼間から昼間くらいの一日の出来事を描いており、この部屋の中に様々な癖のある人物が登場します。

俳優も伊藤雄之助、若尾文子、山岡久乃、小沢昭一、高松英郎、山茶花究(サザンカキュウ) ミヤコ蝶々など有名俳優多数出演で豪華です。だけれど癖のありそうな人ばかりです。

それも、四人家族を始めとして、いい人というのがほとんど登場しません。

それらの欲望の塊のような人々が騙しあい、責任のなすりあいなどをしながら、一室を出たり入ったりを繰り返します。

例外として「熱中時代」の校長先生、二時間ドラマの帝王のお父さん、船越英二扮する会計士がおりますが・・・この人物役としては人がよさそうで影の薄い役なのですが、最後に他の登場人物たちの人生を一変させてしまいます。

伊藤雄之助はじめ皆、ずるそうな演技上手いです。

でも、この映画ではやはり若尾文子です。

妖しくセクシャルな魅力をはなつ美しさはなんとも言えません。

映画の中で一番ずる賢い悪女役です。

好きな女優を何人か上げる時、若い頃の若尾文子をその中に入れますが、この映画を観て更にいいなぁと実感しました。

川島映画は垢抜けているので(「幕末太陽伝」と「風船」、「貸間あり」しか見ておりませんが・・・)今見てもスタイリッシュな演出、映像で、かっこいい感じがするし、新藤兼人もこんなブラックユーモアに満ちた脚本まで書けるんだと感心します。

窓から見える夕陽などの映像も美しいです。

毒々しく低俗なのに美しくてかっこいい映画です。
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by yururitositarou | 2006-04-15 03:15 | 映画

イーオン・フラックス

イーオン・フラックス観てきました。

なんでこの映画を見たかって?

理由1:なにも考えずに楽しめる映画を見たかったから。

理由2:シャーリーズ・セロンを見たかったから。

単純な理由です。

内容はアメリカ版近未来忍者映画といったところでしょうか。

理由1の何も考えずに楽しめる映画であったかどうかは、ずばりその通りでした。

しかし、話は詳細まで理解しようとすると複雑で難しいです。

これは、もしかすると私の脳細胞が映画の中の会話のスピードに付いていけないのからかもしれないのですが・・・

私は映画好きなどといいながら、結構速い展開の話などになると単純娯楽映画でも細かい点で付いていけなくなる事がよくあります。

このことについて、軽い劣等感を感じることもチラホラ。

私の脳細胞は人よりも劣っているのではないか・・・などと思うことがよくあります。

でも、こういう映画はそんな私でもある程度解りますし、楽しむことができます。

別に話の細かいところまで理解できなくても楽しめるのです。

ありがたい映画です。

とにかくアクションまたアクションでここはおかしいのではないかなどの疑問など持たないで、たた単に楽しめばいい映画です。

いわゆるB級娯楽映画ですが、こういう映画は必要であると感じます。

出来不出来に関係なく、つじつまなど考えず、単純に楽しめばいい映画。

こういう映画は見終わった後、さわやかな爽快感が味わえるすばらしい映画であると思います。

で、理由2のシャーリーズ・セロンですが、オープニングは場違いのような近未来ファッションで身を包み、カッコいいのか浮いてるのか解らないのですが、B級娯楽映画なのでいいのです。どんどん好きなことしてほしいです。

彼女の役は未来の独裁王国の住人ですが、反乱組織に属しております。

そして、彼女はその国の独裁者を暗殺するため敵の建物に乗り込んで行きます。

中心にある建物に入るまでも様々な罠が仕掛けられており、そこをクリアして行くところは前半の見せ場です。

この時点で彼女のファッションは動きやすい体にフィットした服です。

スタイルがいいのでその姿を見ているだけで心地よいです。

要はシャーリーズ・セロンの美しさを見ているだけで飽きずに満足できます。

モンスター(見てませんが・・・)という映画のシャーリーズ・セロンの方が評価は高いのかもしれないですが、私は断然こちらのシャーリーズ・セロンが好きであります。

よって、話はなおさらどうでもいいのです。

屁理屈こねないで素直に楽しめばいい映画であると思います。
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by yururitositarou | 2006-04-15 01:12 | 映画

安城家の舞踏会

名作映画「安城家の舞踏会」観てきました。
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東京の京橋にある東京国立近代美術館フィルムセンターで「シナリオ作家 新藤兼人」という特集上映が4月4日から5月28日まで開催されることとなり、ちょうど見たかった「安城家の舞踏会」が初日だったので観にいきました。

一般500円です!安い!

初日なので舞台挨拶で新藤兼人氏が挨拶に現れました。

93歳ということで足腰は弱ってそうですが自らの足で歩いてお話も笑わせるところは笑わせて長くならずに上手くまとめるところは流石です。

見ていて失礼ですが、かわいいおじいちゃんという印象でした。

愛妻の”オトワさん”いなくなりずいぶんとたちますが、これからもまだまだ、元気でいてほしいです。

しかし、私自身新藤兼人監督作品はほとんど見ていないということに気づいて、映画好きなのに恥ずかしく感じるとともに氏について語ることはあんまりできないと思います。

で、映画「安城家の舞踏会」ですが、監督は吉村公三郎で、有名どころでは原節子、森雅之などの往年の日本映画のスターが出ております。

戦後日本の伯爵家が舞台で家の中と庭先のみで話は展開します。

伯爵家という爵位が取り上げられ、家も没収される事になった安城家の主人と娘二人に息子一人の一家が最後に舞踏会を開きます。その一夜の出来事が様々な人間模様を絡ませて優雅に描かれます。

滅び行く華族と最後の舞踏会という点でビスコンティーの「山猫」のような感じです。でも、制作年は1947年で「山猫」よりもずっと古い作品です。

今見るとよくある話ではと思われるかもしれないですが、逆にこのあたりの映画が元祖的存在なのかもしれません。

日本映画なのに豪華なイメージがあります。確かに「山猫」などと比べるとスケール面では劣りますが話は上手く凝縮されて、全く飽きる事がありません。

白黒映画独特の美しさを堪能できます。

特に野外のシーン。
庭先のテラスはバックに舞踏会が開かれている伯爵の館(たぶん絵だとおもいます)があり、セットだと思いますが、涼やかな風を感じる美しさです。
それと温室や浜辺など白黒映画独自の幻想的美しさを充分堪能でき気持ちいいです。

なぜかだいぶ昔に見た古い名作映画で、ルノワール監督の「ゲームの規則」を思い出しました。話の内容は違いますが、館を舞台に一夜の模様を描いている点やその館の庭先が時折出てくる点などから似ているように感じたのかもしれないです。

無駄がなく、登場人物の個性もはっきりしており、(森雅之のプレイボーイぶりや32歳の殿山泰司の召使役、逢初夢子(知りませんでした)のお嬢様ぶり、清水将夫の嫌味な役などいいです。伯爵役の瀧澤修もはまってました。原節子は主役ですが性格がつかみづらかったです。)飽きずに見ることができます。

今見ても充分楽しめる内容ですし映画好きは見ておくべき作品であるとつくづく感じました。

また、他の吉村公三郎作品も観てみたくなりました。

最後に1989年発行の文春文庫「日本映画ベスト150」に34位で掲載されていたので、そのページを掲載しておきます。
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by yururitositarou | 2006-04-09 04:43 | 映画