「鉄道員」読みました。
浅田次郎著、集英社文庫です。 またまた、短編です。 40ページ前後の作品が8篇入っております。 「鉄道員」は「ぽっぽや」と読みますが、パソコンでぽっぽやを漢字変換しても鉄道員にはなりませんでした。 映画で有名ですが観ておりません。 そんなにいいのか?とあまり期待せずに読み始めましたが、感動しました。 表題の鉄道員始めラブ・レター、悪魔、角筈(つのはず)にて、伽羅(きゃら)、うらぼんえ、ろくでなしサンタ、オリオン座からの招待状と題名を並べてみると統一性がないようですが、話も同様に様々な内容です。 しかし、どこかで共通している何かを感じます。 どれも、どこかしらファンタジーのような味わいがあります。 なんとなく優しい気持ちになれるようないい作品です。 作品の中の主人公達の語り口も様々です。 ラブ・レターやろくでなしサンタの主人公は刑務所あがりの男で、砕けた口調の語り口ながら、それがまた、最後に感動をさそいます。 伽羅のファッション・メーカーの営業マンの世界もなんとなく笑えるようで印象に残ります。 浅田次郎の本は「初等ヤクザの犯罪学教室」しか読んでおりませんでしたがこれも本当か嘘かわからない世界で面白かった記憶があります。 何でも書ける上手い作家だとつくづく感じました。 表紙について。 カバー井筒啓之 AD鈴木成一デザイン室 となってます。 ADとはなにかよくわかりませんが、多分デザインのことではと思います。 地味な表紙ですが影の描き方が味わいがあります。 浅田次郎氏の自画像かと思いましたが違うようです。 フォントも光の中で溶け込んでるような味わいがあり懐かしい雰囲気をかもし出しております。 気になるのは鉄道員が座っている椅子のデザインで妙に脚が細長くておしゃれでヨーロピアンな雰囲気です。 本を読むと映画を観たくなるものです。 大変読みやすく駄作がないのでお薦めです。
by yururitositarou
| 2005-08-10 23:22
| 本
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